暮れの夜

今年も世界は戦争と災害で暮れようとしている

災害で一番痛ましいのは

子供達の巻き添えである

歴史はどこをめくっても

弱者の悲嘆と悪人の興亡の歴史だ

不思議なのはこの末法の世

最先端の量子論が喝破した

思念が物象界の源である

この世界は光りあれ！で始まったのだ

何故かその後の世界にサタンが現れ

人の世はほぼサタンが支配している

この悪の世に

せめて子供たちを喜ばせようと

そりに乗った白い髭の男がいる

サタンと一字違いのサンタである

サタンは一年を支配しているが

サンタは暮れの一夜

サタンの目を盗みこの暮れの夜空を走る

同じ世界に私がいる

私には空を飛ぶトナカイはいない

私が出来るのは思うことだけである

暗い夜空へ放つ私の思念

目の不自由な方に一日だけこの世界を見せたい

歩けない人に一日だけ歩かせたい

もし一日が無理なら

キャンドルが消えるまでの間でもいいのだ

痛みのある方に一日だけ痛みをなくしたい

老いを嘆く人に輝く御国の姿をみせたい

いつか御国で再会できる人を

一分間だけこの世界で逢わせて下さい

一度も返事をしたことがない　イエス　キリストよ

来年もまた　サタンの世であって良いのですか

それは　次の朝　夢だった　でいいのです

大畑　ヨシオ