「よいしょ！」「よいしょ！」の声。

保育園のお餅つき大会だ。子供達が輪になり、その中心で先生が餅をつく。

年の瀬に聞こえてくる元気な子供たち声に思わず笑顔になる。

私が幼い頃は、毎年暮れになると大きな臼で父が餅つきをしてくれた。

合いの手をいれながら、餅をかえす母。

冷たい空気の中に蒸気があがり、真っ白なお餅が出来上がる。

つきたてのもちにあんこやきな粉、しょうゆをつけ、思った以上に伸びる餅と、格闘しながら餅を食べた。祖父が喉に詰まらせ、大騒ぎしたこともあった。

当たり前のように感じていたが、本当に幸せな時間だったと昔を思い出す。

ノロウイルスの問題で、今年は餅つき大会が中止となったニュースを耳にした。

たくさんの人が直接手で触れ、そのまま口にすることで菌が繁殖してしまう。

形が変わろうとも日本の伝統的な行事を守っていくのは、大切な事なのではないだろうか。

また来年も元気な餅つきの声が聞こえてくるのを楽しみにしていよう。