トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 朝の風景~みんなは何を考えているのか?
文芸広場
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新年で久し振りに浦和へ出勤。
目に見えるひとつひとつが新鮮で楽しい。
駐輪場に自転車を置く。場所ごとに番号が振ってあるのだが、置こうと思ったところの番号は「96」。頭の中で「苦労」と変換する。苦労しそうで嫌だなぁ。でもこの場所は両隣りに自転車がないので置きやすいな。「苦労は買ってでもしろ」と言われるし、苦労も悪くはないだろう。そんなことを考えながら96番に置いた。
駐輪場のおじさんは、出掛けていく人々に「いってらっしゃい」と声を掛けてくれる。ちょっと嬉しくなる。
ホームに立ち電車を待つ。やってきた電車からはたくさんの人が降りる。これから乗るわたしの前に並ぶ男性は、開いたドアの左側で車両に身を寄せるように立つ。何となく不自然に感じたが、後でその理由がわかった。全てのひとが降りたら、そのまま中のドアの側にピタリと立つ。その動きがとても自然なので、どうやらそこがいつもの定位置らしい。
浦和駅に降り立ち、事務所まで歩く。並ぶ店舗や道行く人が視界に入る。美容院の中が見えた。肌色の濃い客の頭にロッドを巻き付けている店員。よくよく観れば客はマネキンだった。練習中だったらしい。
宅配便の配達員はたくさんの荷物を手押し車に載せて足早に歩いていく。ズボンのお尻に小さなほころびがあって、つい気になってお尻を見つめてしまった。ごめんなさい。
くるりくるりと様々考えるわたしの朝。他のひとの頭の中ではどんなことが考えられているのだろうか?
檀 ままこ
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