トップページ ≫ コラム ≫ 雪んこの頑張って咲きます♪ ≫ 「ゲス不倫」言葉の影響力
コラム …雪んこの頑張って咲きます♪
前もっていっておこう。
私は決して不倫推奨派ではない。
しかし、近頃の風潮は「ゲス」と「不倫」を合わせることによって、さらに非難される現状になっている。
一昔、いや二昔前になるだろうか。
今もスターである松田聖子のアイドル全盛期。結婚していた彼女の、今で言う不倫が暴かれた時、夫、子供、そして恋人、すべてを持つ彼女を多くの女性は褒め称えた。その当時、ゲスという言葉、もしかしたら不倫という言葉さえなかったかもしれない。(定かでないが)
私がここで言いたいのは、不倫はたとえに過ぎなく、言葉とは大きな影響力を持つということだ。
不倫とは、文字のごとく、「道徳にはずれること。特に男女関係で人の道に背くこと」と辞書にある。私の辞書でいうとするならば、一方が既婚者、もしくは双方が既婚者の恋愛となる。
ここでドラマを作るとしよう。
そのタイトルは「金曜日のゲス不倫妻」「ゲス不倫愛」「ゲス不倫におぼれて」。
これでは観る前から、身勝手なバカな女か男が出てきそうで観る気にもならない。ゲスを差し引いたとしても同じことがいえよう。
では不倫を恋と置き換えるとどうだろう。
「許されぬ恋」「好きになってはいけないひと」「秘められた恋」。
視聴者の多くは不倫がつく前タイトルに非難を寄せ、後者にはある種の同情、中には自分の出来ない恋を夢見るだろう。
それゆえにフジテレビの上戸彩と斎藤工の不倫のドラマ「昼顔」が高視聴率を遂げ、映画化されるのだ。
再度述べよう。不倫はたとえに過ぎなく、私が言いたいのは、言葉の怖さ、言葉は悪にでも善にでも誘導されるということである。そう、「言葉の魔法」にかけられるのだ。
たとえを健全なものにしてみよう。
先日の国会答弁で安倍首相が「云々(うんぬん)」を「でんでん」と発言していた。その発言は蓮舫氏の質問に対して「訂正でんでんというご指摘は全くあたりません」との回答。
これに対して「漢字が読めない日本のトップ!」と書くと「バカ総理」ということになる。
「答弁にも笑いを誘うおちゃめな安倍さん」と書くとすると微笑ましくも、何だか許せちゃう気がするのは私だけでなかろう。
このように、書く者や発する者の力で、どうにでも操られるのが言葉である。
だからこそ、言葉は重厚で繊細なのだ。
このご時世、言葉を賢く使うことは勿論だが、言葉を受信する者も、惑わされることがないよう、自分の思いをしっかり持つことこそが、今一番大切なことなのかもしれない。
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR