トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 春一番 転がるごみの行方は…
文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
春一番が吹いた
自転車で容赦ない向かい風
地面をコロコロと転がる
ビニール袋やお弁当の空き容器と
何度かすれ違った
止まることをしらないごみ
どこまで転がっていくのだろう
多くはポイ捨てされたわけではない
ごみ集積所に捨てられたけれど
何らかの理由で飛ばされてしまったごみ
運良く誰かに拾われ
ごみ箱に捨てられたら
無事ごみ処理場へ運ばれるはず
そうじゃないごみは
やがて川や海にたどり着き
どこまでも流されていく
決して自然に還ることのないプラスチックごみ
世界中の海には
プラスチックごみのたまり場がいくつもある
どこまでも小さくなり
海に住む生物のお腹に入る
プラスチック自体に害はないけれど
漂流している間にさまざまなものを吸収して
害のあるものへと変化する
漂流するプラスチックごみが増え続けると
人間にもいずれ害が及ぶ
さあどうする?転がるごみのように
ただされるがまま転がるだけ?それとも?
選択肢はいくつもある
まだ間に合う
岡 アヤコ
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