トップページ ≫ 文芸広場 ≫ マンガ読みの夜は長い~『たそがれたかこ』既刊9巻
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ラジオで紹介されたのを聴き、気になって第1巻を購入。すっかりはまってしまい、残り8冊を大人買いしてしまった。
ここに、この作品を好きなことを書いてしまうのが、恥ずかしいような。自分のなかの思春期ぶりを表明してしまうような気がして。それから、この作品は、わかるひとにはわかるが、わからないひとにはわからないと言っておこう。(わかるひとにはわかるって、当たり前か。)
主人公たかこは、離婚して母とふたりで暮らしている。ひとり娘がいるが、娘は別れた夫と暮らしている。このところ夜にやられて、隅田川のほとりで独り、酒を飲む。ところが、誰もいないと思ったそこで、声をかけてきた男と出会う。そこから、様々なひととの出会いや深夜ラジオ番組のパーソナリティーをやっているミュージシャンのことを大好きになったり、とにかく世界がひろがっていく。別に大きなドラマがある訳じゃないけど、時折、ハッとするセリフがあったり。とにかく、たかこ頑張れ!と共感してしまう。
マンガは基本的には若者主人公のものが多いが、最近は、高齢の主人公の作品も増えているという。この作品の主人公は45歳。読んでいると、自分が大人になってみると、かつて想像していた大人ほど大人にはなりきれるものでもないよね。そんなことを考える。外側は年齢を重ねたそれなりの見た目になっているが、中身はたいして変わってない。中身と外側のアンバランス感。成長期に訪れる思春期が、中年期にもやってくるのだ。
この作品は、残すところあと1巻らしい。たかこの日常から目が離せない。早く10巻が読みたい。
檀 ままこ
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