トップページ ≫ 文芸広場 ≫ マンガ読みの夜は長い(第2夜)~『ちーちゃんはちょっと足りない』全1巻
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著者の作品をたまたま雑誌で読み、瑞々しいセリフに魅せられて、他の作品も読んでみたくなった。アマゾンで書籍のレビューを読むのが好きなので読んでみると、同じ著者のいくつかの作品のなかでこの『ちーちゃんはちょっと足りない』については、心が元気でない人は読まない方がいいとか、衝撃的であるなどの感想が掲載されていて、非常に気になったので購入してみた。
結論として、独特なコミカルな絵柄に対して、内容が重い。コミカルタッチだからこそ、ダークな心象風景の表現が急にタッチが変えられていてダークさが強調される。
主人公はタイトルにあるちーちゃんと思いきや実は、その友だちのナツだ。ふたりは、小さい頃からの友だちで同じ中学校に通っている。ふたりは、成績、お金、モロモロちょっと足りない。でも、クラスのみんなに助けられて日々過ごしている。ちーちゃんは全方向的に能天気なのだが、ナツはネガティブで嫉妬深い。ある事件をきっかけにナツのダークな部分が炸裂し、人間の嫌な部分をこれでもかとえぐって読む者に見せつけてくる。
クラスの友だちたちは、本当にいいひとばかりで、それに対比してナツがよけいにダークにうつった。だけど、人間て確かにダークな部分があって、それが現実。ハッピーエンドでない物語も、たまにはいい。苦いビール、鼻にツンとくる柿の種わさび味をポリポリしながら読んでみるのが、個人的にはおすすめだ。
檀 ままこ
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