トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(43)
教育クリエイター 秋田洋和論集
テスト勉強は全力でサポートするつもりだ
以前、「中学校からの勉強はプロである先生に任せたほうがいい」とお伝えしました。しかし熱心なお母さんは、「テスト前だけでも見てやらないと不安だわ」と思うかもしれません。
そんなお母さんが始める定期テスト大成功プロジェクトは、多くの場合、その効果が目に見えて現われます。これまで、
・いきあたりばったりで気分まかせの勉強をしていた子
・勉強とは「暗記と計算練習」のことだと思っていた子
にとっては、「計画的に勉強を進めていく」「自分の理解度を点検してからテストに臨む」なんて、初めて体験することです。今までの間違った勉強習慣を改善するだけでちゃんと効果が現れるので、お母さんのプロジェクトは一見成功したように見える。
しかし、ちょっと待って下さい。そのプロジェクトはいつまで続くのですか?
我々のような塾講師でも陥りがちなミスの一つに、「教えるのが自己満足に変わってしまうこと」があります。自分が教えたことで子どもに変化がみられると、それはそれは嬉しいものです。だからつい「次もやってあげよう」と思いがちで、子どもとのコミュニケーションが取れていればいるほど、その熱意は高まっていくものです。しかしそれをやりすぎてしまうと、
他人に依存し、何でもやってもらうことが当たり前
という習慣を子どもに与えてしまいます。大人が手取り足取り手伝ってやったプロジェクトですぐに現われる変化など、一過性のものにすぎません。ですから、回を重ねれば重ねるほど子どもの伸びは小さくなっていきます。
「成績が上がってよかったね」ではなく
「すごいじゃない!どうしてそんなに上がったの?」
こんな言葉を言う環境をつくることが、子どもに考える習慣を与え、伸び続けるきっかけになります。普段の勉強はもちろんテスト勉強も、中学校に入ったら親が指導するのはやはり控えましょう。
中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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