文芸広場
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このところ思うのだ。生きていくのに、いかに「平常心」が大切かということを。
平常心とは、「ふだんと変わらない心。揺れ動くことのない心理状態。」のことをいう。
テレビでは松居さんが毎日のように取りあげられているが、「お掃除でしあわせになる」ということを世間に広めてきたひとが自分のこころはお掃除できないのか?と悲しい気分になる。全く平常心を欠いている。
以前、さいたま市で活躍している著名人に取材する機会があり、それぞれに座右の銘を尋ねるのだが、ある方が「平常心」と答えていた。わたしはその方の落ち着いた様子をとても居心地良く感じたことから、そのことばの大切さを強く感じたものだった。
しかし、こころに刻んでみたものの、実践の難しさもその後知ることとなる。今から5年以上前のこと、夫の考え方に対してどうにも納得出来ずに不機嫌が続き、ある日わたしは爆発したのだ。その頃毎日が不機嫌だったので、ちょっとしたことで切れ、家族に怒鳴り始めた。怒鳴り始めると止まらない。そして、わたしのあまりの形相に、息子が泣きだしてしまったのだ。「お母さんがこんなになっちゃって」。
苦い思い出だが、それ以後、わたしにとっては平常心であるべしとの戒めとなっている。
きっと、松居さんの息子さんの心境も「お母さんがこんなになっちゃって」ではないだろうか。
調べてみると「平常心」とは禅の世界では、「普段と変わらない心」というのとは少し違った解釈になるようだ。心が喜怒哀楽で揺れ動くのは当然で、例えば緊張すべき時に心を落ち着かせようとするとかえって不自然になってしまう。むしろ緊張している心が今の自分の真実の姿であり、ありのままの心なんだ、ということを素直に認め受け入れることであると説いているとのこと。しかし、「ありのまま」の心を受け入れるといっても、ひとの道に反する考えは断ち切らなければならない。
ううむ。ありのままを受け入れるといえば簡単にも思えてきたが、思い浮かんだこと全てを受け入れて実行していては、この世は滅茶苦茶になってしまう。
ひとの道は容易ではないですね。松居さん。
檀ままこ
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