トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(44)
教育クリエイター 秋田洋和論集
「中学校のテストは範囲を覚えるだけだから簡単だ」と話している
我々の中学校時代の定期テストといえば、とくに理科や社会は、記号問題+語句穴埋めの形式がほとんどだったと思います。だからテストまえには、年号や人名・地名、化学式などを、ゴロあわせも使ってとにかく覚えたものでした。
そういう経験があるものですから、「中学校のテストなんて範囲の内容を全部覚えればいいのよ」と子どもにはなしているお母さんもいるようです。
皆さんが中学生だった頃から早ウン十年、果たしていまどきの中学校も同じ形式なのでしょうか?
今の中学生に求められる能力として、学習指導要領には「思考力」「表現力」「判断力」と書いてあります。「ただ暗記すればいい」わけではないのです。
もちろん基本事項を覚えることも必要ですが、「それはなぜか」を考えて書くところまでが求められます。
数学であれば公式や定理を覚えて使えるようになることも大切ですが、ただ丸暗記しているだけではダメで「公式が成り立つ理由」を説明することまで求められます。
・「負の数×負の数」はどうして生の数になるのか
・三平方の定理が成り立つ理由
など、しっかり理解して説明するのはなかなか大変ですよね。
理科や社会になると、用語を覚えているだけではまったく通用しません。図や表、写真から情報を読みとって、考えをまとめて書くことが求められます。
たとえば「西高東低の冬型気圧配置」という語句だと、
昔は天気図と特徴を覚えておけばよかったものですが、今は、
「どうして日本海側には雪が降り、太平洋側は晴れるのか」
と、その特徴を説明できなければならないのです。
「今の時代の子どもじゃなくてよかった!」という声が聞こえてきそうですね・・・・・。「ただ暗記しているだけでは通用しない」と話しておくだけでも、その後の伸びは変わるものですから、今のうちから「中学校のテストは違う」と教えましょう。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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