文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
真新しいカーペットの上にごろりと寝てみる。何もない空間が気持ちいい。
ここは、新たに仕事用に借りた部屋。夫である社長と従業員はわたしだけ。二人だけの会社だ。デスクの搬入はまだこれからで、カーペットだけが敷いてある。
はて?この光景はどこかで見たような。そうだ。新婚時代に、何にもない部屋でくつろいでいたっけ。あの頃はまだ子どももいなくて、今に比べれば甘い雰囲気もあったかと思う。あれから家族も増え、子供に対する責任も増え、あっという間に年齢も増え、それに反比例して甘さなどは全くなくなった。さらに一緒に仕事をするようになってから、厳しい顔で向き合うようにもなった。
新婚時代のことを思い出すとは、久しぶりだった。本当に久しぶり。
忘れていいことと忘れてはいけないことがこの世にはある。
新たな事務所で過ごす日々のなかでも、始まりの日は忘れないようにしよう。
檀ままこ
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