トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(46)
教育クリエイター 秋田洋和論集
「キレイなノートをつくりなさい」と教えている
「ノートをきれいにとりなさい」
と子どもに注意するお母さんは多いようです。昔から、教育現場では「ノートはきれいに、丁寧に書きなさい」と言われていましたし、数年前に「東大合格者のノートはきれい」というような本が売れて、ノートの書き方に世のなか全体の関心が高まった時期もありました。
しかし、ノートの書き方にとらわれすぎると、子どもはノートをきれいにつくることで「勉強をしっかりしている」と勘違いする恐れがあります。とくに女子のなかには、カラフルでみやすいノートづくりに授業時間のすべてを費やす生徒が見られます。
授業中はノートづくりが最優先という生徒には、残念ながら「授業内容を理解して納得しよう、そこから自分の考えを導き出そう」という姿勢が身に付いていないことがほとんどです。私が質問を投げかけてみても、返書を写すことに気を取られて話を聞いていないことが大半です。
ノートづくりにエネルギーを注ぐことは、子どもたちから「考える習慣」を奪い、「受け身の勉強」に慣れきってしまう可能性があります。
また、お母さんのなかには「中学校に入ったら、ノートをきれいにとらないと内申点をアップできない」と考えているかたが見受けられます。
「高校入試に使われる」内申点に、お母さんが戦々恐々となる気持ちもわかります。
たしかに、真面目に授業を聞きながらカラフルで見やすいノートをつくっていれば内申点はけっして悪くないでしょう。しかし、それが本当に「考える習慣」を付けることになるかといえば疑問です。
子どもが自らノートの大切さに気づき、自分で考えて、きれいで丁寧なノートを書いているのなら別です。基本的には、ノートは他人にみてもらうことが目的ではなく、自分の勉強のためにとるものです。小学校卒業と同時に、手をかけすぎるノートづくりも卒業しましょう。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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