社会
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先日トヨタ自動車とマツダの提携発表があった。またその発端となった今後の自動車のデフォルトが電気自動車との予測は、我が国ではやや唐突な印象を持って受け止められた様子である。
トヨタ自動車はフォルクスワーゲン、ルノー・日産・三菱連合とのし烈な世界販売台数首位争いを繰り広げている強者であり、喫緊の経営的課題は持ち合わせていないように見える。またマツダも一時の苦境を脱し安定した回復基調にあり、また運転自体を楽しめ、かつコストパフォーマンスの高い車作りで顧客・ファンの確保に成功している印象だ。
自動車産業は他の産業と比べて圧倒的な裾野の広さを持つ。ずいぶん昔だが日米構造摩擦の時にやり玉にあがった“系列”、昔ほど一蓮托生ではないにせよ完成車を作る自動車メーカーをその頂点として多くの部品メーカーが連なっている。電気自動車はガソリン車等の化石燃料車と比べて、圧倒的に少ない部品点数で完成車を作る事が出来る。その際には部品メーカーは危機的な状況になる事もあり得よう。このような劇的な産業構造自体の変化をもたらす影響の大きな話である。
アメリカ・カリフォルニア州でのZEB規制(ZeroEmissionVeacle:排ガスを出さない車)やEU、中国で近々実施される新規制がこうした動きの発端にあるが、現時点では走行距離、充電場所・時間の長さなど実用性の面でクリアすべき多くの課題があるのが実情だ。
ただ庶民の皮膚感覚として、このまま将来も化石燃料車に乗り続ける事は出来ないとの想いもまた偽らざる所であろう。昨今の自転車ブームもそうした感覚と無縁ではなかろう。時代の変わり目のこうした変化は止め処なく進んでいく。
記者発表の席でトヨタ自動車の豊田章雄社長から以下の発言があった。
『本提携はクルマを愛するもの同志がもっといいくるまを作る為の提携であり、未来のクルマを決してコモディティーにはしたくないという想いを形にしたものだということです。』
自動車づくりにかける情熱が感じられ、またトップ自らが夢・理想を直截に平易に語ることに大変感銘を受けた。その情熱に裏打ちされた高い革新性のある自動車づくりに大いに期待したい。自動車の未来、ひいてはトヨタ・マツダの未来から目が離せない。私たちユーザーも関心を持って息長く接していくべきテーマである。
小松隆
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