文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
人の世界は高齢者でも亡くなればニュースになります
今年の同窓会の話題です
「オーシンツクはどうした?」
元気者の油蝉がみえません
「そういえばカナカナがいない!」
日暮れになると一声高く哀しげに鳴きだすソロ歌手がいません
小さな生きもの達は黙って旅立つので誰も気づかないのです
ツバメや雀が少なくなったのは昨年の話でした
田んぼにイナゴがいて叢には馬追や轡虫がいたことがあります
風鈴売りがいて夕暮れには豆腐売りのラッパが響いた昔です
今でもホタルやオミナエシは童話の絵本で見られます
赤トンボやヒバリは秩父の山奥にいけばまだいるといいます
みんな少しずついなくなるのできがつきませんでした
でも七年以上も闇の中で夏を待っている蝉は別です
都会育ちの若者が駆除しろと言うくらいの音量です
今年はその蝉が土の中からでてこないのです
誰かが立ち去ったあとやってくる侵入者がいます
外来種はカタチは似ていても毒性があります
近くの沼から蓮の群落が消えました
蓮の根を食い荒らしたのは巨大化したミドリ亀です
かつて深山に棲んでいた白鼻芯は今や人里の害獣です
動物園にいたアライグマは住宅地で繁殖し凶獣です
人の世界にも透視すると異形の者達がいます
誰でもいいから人を殺したい少年の燐光を放つ目
議会で緑色触手を踊らせ喚き立てるインベーダー
因みに関東大震災の年の七・八月は蝉が鳴かなかったという
虫の知らせです
やがて赤トンボのいない秋が来ます
大畑善夫
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