文芸広場
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人間は必ず死ぬ。死亡率100%だ。
ずっと死を忌み嫌ってきたが、最近は少し違うニュアンスが自分のなかで生まれた。
人類の見果てぬ夢である「不老不死」ということばがあるが、ずっと若くて死ぬこともないということが本当にいいことなのか。正直、女性としては若さにあこがれを抱き、ずっとピチピチした輝く肌でいられたらそれは素晴らしいことと思う。けれど、ずっと死なないというのは正直恐ろしい。自分の人生が終われないという恐怖。最近、嫌なことがあると脳内で「いつか死ぬ。いつか終われる。」と呪文のように唱えているわたしにとっては恐ろしい。
以前、子育てに悩む同年代の女性数人と飲みに行った。そのメンバーでは何度か、子育ての愚痴をぶちまけあう飲み会を催していた。その場で、生まれ変わりのはなしになった。ひとりが、生まれ変わったら石になりたい。何の感情も持たず、ただそこに存在する石になりたいと言った。彼女はさらに付け加えた。でも、ホントは生まれ変わりなんてしたくない。やっと様々な悩みから解放されてようやく終われたのに。絶対に生まれ変わりたくない。そう断言していた。それを聞いた時のメンバーのうなずきながらの静かな微笑みは忘れられない。
死は、映画のエンドマークのようなものだ。激動の人生、静かなる人生、お笑い人生、悲劇的人生とあらゆる人生に平等にやって来て、静寂の世界へと誘う。
檀ままこ
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