社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
先日、ある企業セミナーに参加する機会を頂いた。
講師として東京大学先端科学技術研究センター西成活裕教授が登壇。
テーマは『渋滞学』との事、はて渋滞学とは?
渋滞の発生する原因は二つ。
1. 外的要因(ボトルネック型)⇒対策は立てやすい。
以前の高速道路料金所での渋滞がここに該当、それまでの流れが止まってしまい恒常的に渋滞が発生していた。
2. 内的要因(メタ安定型)⇒対策は立てにくい。
*世の中の70%の渋滞が②内的要因(メタ安定型)に該当。
メタ安定型の渋滞は車の密度と通行量との関係に起因する。
その臨海密度は25台/km=車間距離40m(1,000m÷25台)
つまり人の意識とは裏腹に車間距離をむしろ長く取る方が渋滞はおきにくくなるという訳だ。
また高速道路での渋滞発生の原因の60~70%は坂道に因るもの。
気づかぬ内にスピードが落ち、詰めすぎていた車間が積もり積もって数キロ後方でついに渋滞発生となる。
ご参考までに蟻は渋滞をおこさないそうだ。一定の速度・距離で隊列を組み、仮に密集地点が発生しそうになっても決してその距離を詰める事はない。
社会性を持ち合わせる生物同士として人間はどうやら蟻の足元にも及んでいないらしい。
誰にとっても身近で、かつ出来ることなら避けたいと願う、ところが今まで突き詰めて考えられる程は注目されなかった『渋滞』という現象にフォーカスしたその着眼のユニークさが際立っている学問との印象を強く受けた。
また車の渋滞だけに留まらない、いろいろな分野に応用した展開の拡がりにも今後の期待大である。
重々しくないテーマに軽やかにかつ深く切り込む、エッセンスのある当世風学問に粋の精神すら感じるまたとない機会となった。
小松 隆
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