社会
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相撲界が揺れている。
マスコミはその前近代的な組織の体質、また個々人の対立関係を面白おかしくあげつらう事に血眼になっているように見える。
150キロもある鍛え上げられた肉体が真正面から激突、その衝撃は約2トンという。館内に響く骨のきしむような音は何度聞いても慣れるものではない。詰めかけた多くの観客はそうした常人の域を遥かに超えた者同士の勝負にしばし我を忘れて酔わせてもらう訳である。
三年先の稽古、含蓄ある表現だ。明日急に目が覚めたら強くなっていることなどあり得ない。すぐに結果の出ない地道な稽古に己の全身全霊をかける以外に強くなる術はない。黙々と鍛錬を続ける、これこそがまさに天賦の才なのである。
番付一枚違えば虫けら同然、現代社会の価値観ではもはや受け入れられるものではないだろう。ただし敢えていえばこうした底流に流れてきたものが個々力士の切磋琢磨を促し、結果としてレベルの高い土俵が具現化されてきた側面は全くないといえるのだろうか。また興行として行動をともにする以上、組織の統制を図るという目的も含意されていたのかもしれない。
今回の件は相撲界だけの話に留まらない。一般社会の働き方改革などとも呼応する世間全体に急速に拡がる大きなレジームチェンジの流れの中で語られている側面もありそうだ。
輪湖の時代から相撲を見続けさせてもらっているファンのはしくれとして、今回の件を乗り越え、何より土俵内容の充実を柱に据えた骨太な明日の相撲界を作り上げていって欲しい。
ピンチこそチャンスに!である。
不毛な対立などしているひまはない。
小松 隆
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