トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第4章 中学校生活のタブー (58)
教育クリエイター 秋田洋和論集
うちの子はクラスメートに比べると遅れていると心配している
子どもが小学校から中学校に上がる段階で、他の子や世間の標準に一向に追いつかないわが子の「成績の遅れ」を気にするお母さんがいらっしゃいます。
「周りのクラスメートに比べて自分の子だけ身長が伸びない」
「見た目は大きくなってきたけど、中身は何一つ変わっていない」
「よその子は○○をマスターしているのに、うちの子はまだできない」
など、自分がイメージするラインにわが子が到達していないのではないか、と心配するわけです。
この手のお母さんは、赤ちゃんのときの「おむつがいつ取れるか」に始まり、「身長が○○センチになった」「字が書けるようになった」「自転車に乗れるようになった」などなど、雑誌やママ同志の情報などから仕入れた「基準」とわが子を比べて、「早い!」「遅い!」と一喜一憂してきたのではないでしょうか。
そんな基準は、実は必要ありません。子どもはそれぞれ違うのですから、他人の子どもや世間の標準と比べても意味がないのです。
中学生にもなれば、「自分のウイークポイントが自分でわかってくる」ようになるものです。「自分は○○するのが遅い」「自分は○○がまだできていない」・・・そのことをいちばん気にしているのは子ども自身です。自分が心配したりイライラせているウイークポイントを、お母さんからわざわざ指摘されると、腹を立てたり、ますます自信を失ったりします。
ですから、お母さんは無用な心配をして子どもを必要以上に刺激する必要はありません。
「ここが足りない、あれができていない」
とマイナス部分ばかりを挙げていくより、子どものよいところを見つけてやったほうが、どれだけ子どもの力になることでしょう。きっと「中学校でがんばろう」という気持ちを後押ししてくれるはずです。
「標準」という尺度を子どもに当てはめるのは意味のないことです。それよりも、子どもの可能性を広げるような芽をみつけることに力を注いでください。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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