社会
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弱冠15歳、藤井聡太六段の活躍が目覚ましい。2017年度の記録全4部門(勝率・勝利数・対局数・連勝)全てで1位を達成、特に勝率の8割4分3厘、大きな話題となった29連勝は驚異的数字といえよう。過去にこの年齢でこのレベルに達した先人のいない荒野をただひとり進むさながら開拓者のようである。
天賦の才、一般には生まれながらに傑出した才能を持つ人に称せられる言葉と理解されている事と思う。だが本当にそうだろうか。この言葉の本義の意味は並大抵ではない不断の努力を続けられるその才能の事ではないだろうか。すぐれた棋士は記憶力が抜群とされている。しかし意味のないランダムな駒の並びを瞬時に記憶したりする事などはやはり出来ないそうだ。自分で思考の限りをつくしたプロセスの積み重ねとしての棋譜だからこそ、当たり前のように辿る事が出来る。つまりその記憶力は一種の連想力ともいえよう。卑近の話に例えると、学生時代『なんと見事な平城京(710年・平城京遷都)』と語呂合わせで年号を記憶したのと同じように、このような高度な知的世界においても記憶は連想される物語として脳内で処理されているようである。
ひとりの人間の存在がこれほどまでに社会的ムーブメントを巻き起こし実際に今まで将棋に見向きもしなかった人々さえも振り向かせている。彼の話題に触れた時に理屈抜きに感じられる明るさは、同時代にこうした才能溢れた若者が突如現れ、その未来を共有出来る喜びなのではなどと感じてたりもしている。
この3月で中学を卒業したばかり、いまだ始まったばかりの棋士人生。これからどんな物語が紡ぎだされていくのだろうか。その前途洋々たる未来を想像するだけで心に灯をともされたかのようにワクワクする。
小松 隆
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