久喜市長選は４年前以上に盛り上がっていない。一言で言ったら、現職にスキャンダルも失点もないからなのだろう。丸一日、私は久喜市を歩いて、それなりの取材をした。「田中さんは何も失敗していないし、久喜は住みやすいよ」とそんな声が多かった。「戦う以上、その理由がなけりゃダメだよ。ただ停滞している人口が減ったじゃ、話にならないよ」と言った声も聞こえてきた。「何んだか久喜を任せられる気がしないよ」と言った具合だ。「そんたく政治やしがらみ政治やめよ」といったようなのぼり旗も説得力がなくて、少なくとも一方の相手を攻撃し、やっつける迫力も何もなかった。田中市長は、まったくそんな相手を批判しないで、これもまた燃えあがらない原因の一つになっているのも事実のようだ。同時に行われる市議選も静かそのものだ。この静かな選挙は、久喜の活性化につながるのか？不安すら覚えながら、私は久喜を後にした。

神良太