トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第4章 中学校生活のタブー (63)
教育クリエイター 秋田洋和論集
中学校に入ると忙しくなるから、習い事は全部やめさせるつもりだ
「勉強や部活ができなくなるから、習い事は全部やめなさい」
このフレーズを言われたことがある中学生は、とても多いようです。
「小学生のときはあんなに『やりなさい!行きなさい!』とうるさかったのに、中学生になった途端になんだよ」
と、雑談している途中で怒り出す生徒もいたりして、私は苦笑いをしつつもやりきれない思いになった経験があります。
確かに親御さんの気持ちもわかります。自分が中学校時代に勉強と習い事の両立で大変な思いをしたからこそ、「子どもには同じ思いをさせないように」という気持ちが先に立つのでしょう。しかし、これは逆効果でしかありません。
習い事は一生自分の記憶に残るものです。技術がつくのもさることながら、習い事で感じた一喜一憂や先生・仲間との人間関係など、大切な思い出として皆さんの心にも刻まれていませんか?
そしてより強く印象に残るのは、順調にすんなり上達した思い出ではなく、失敗したり悔しい思いをしたりして頑張った思い出ではないでしょうか。習い事の価値は、得た技術だけではなく、技術を得るまでの過程すべてにあると思うのです。
しかし、こうした「すんなりといかない」習い事であればあるほど、彼らの時間を奪うのも事実です。中学生になると格段に忙しくなりますから、時間を捻出するために真っ先に“リストラ候補”に挙げられるのが、こうした習い事になるのです。
仮に親の言う通りに習い事をやめたとします。そこで子どもの記憶に残るのは、
「なかなかうまくできなかったけれど頑張った。それなのに親にやめさせられた」
というネガティブなものだけです。彼らがやがて親になって、自分の子どもに話す「習い事の記憶」がこれでもいいのでしょうか。
続ける・続けないは、子ども自身に決めさせればいいのです。続けたいと思うものは、すなわち適性があるということでしょう。時間のやりくりがつかなくなって困ったとき、自分の技術に限界を感じているとき、そんなときだけ、聞き役になってあげてください。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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