社会
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昨今、裏日本史ブームといっても過言でないほどそうした関連の書籍を書店で多く見かける。良く知られる歴史的人物を題材に百花繚乱な諸説が取り上げられている。
一例をあげると光秀・天海僧正説がある。
秀吉との山崎の合戦後、小栗栖村で百姓に打ち取られ、後の世で三日天下と揶揄された光秀が秀吉の死後、家康の知恵袋として突如世にあらわれたあの天海僧正その人であるという説である。
歴史好きの勘所を刺激してやまない要素が盛りだくさんでまたその好奇心を大いに刺激する確かに面白い説である。
しかし、お堅い話をする気は毛頭ないが、歴史の原点はまず通史にありと私は考える。
通史は物語性を出来る限り除いて編纂されることが基本とされる。
仮に時の為政者の意向が色濃く反映している事例があったとしても、その記述の不自然さは透かし彫りのように隠しきる事は難しい。
それに比べていわゆる裏の歴史、稗史は、面白くはあっても根拠に欠けた主観・フィクションの要素が多く含まれてしまうと思われるからである。
特に若い方々については通史の理解もままならぬ段階で、稗史的歴史にはまると歴史の本質を学びそこねる弊害がある気がしてならない。
歴史から物語的要素を完全に排除することは不可能である。
その意味では人の数だけ歴史解釈は存在するといっても過言ではない。
であればこそ尚更、通史を皆の共通の土俵とするコンセンサスは非常に大切な事と思う。
娯楽性のある知的好奇心を刺激する歴史読み物と、教科書的通史の本にはそれぞれに与えられた質の異なる役割があること、共通認識として心に留めておきたい。
小松隆
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