トップページ ≫ 社会 ≫ 特別企画 ~水のスペシャリスト下村政裕からのメッセージ~⑧
社会
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原点回帰の必要性(Necessity of Back to Origin)
~本質を見極めた上で問題の解決を考える~
これまで数回にわたって提起させていただいた水資源の諸問題は、「水資源の確実な保全」と「健全な水循環系の再構築」の二つのチャレンジに集約することができると思います。そして、環境や水資源を直接に管轄する国や県のリーダーシップのもと、全ての利害関係者を巻き込んだ議論により、この二つのチャレンジに精力的に取り組む必要があります。
当然のことながら、水資源を使い続けざるを得ない立場の水道としても、適切にこの議論へ参入していかなければなりません。水道の進むべき道を将来に向けて確保し、基本的人間のニーズである命の水を、水道が守り続けなければならないからです。
ここで読者の方の中には、なぜ、命の水を水道が守らなければならないの?との素朴な疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。それが、今回このシリーズを始めさせていただいた私にとっての動機であり、水道を正しく皆様方に理解してもらいたいとの強い思いからペンをとりました。
それでは、いよいよ、その紐解きをしていきます。まずはその序章として、水道の原点、「水道というシステムが、なぜ必要になったのか?その役割は?」ということを、振り返っていきましょう。現在の日本で、産まれた時から当たり前に蛇口の水道水を使っている方(Water Supply Native)が多くなった今、この水道の原点に思いを馳せる機会はほとんどなくなっているのではないでしょうか?しかし、“なぜ水道?“に立ち返ること、この水道の原点への回帰が、まさに、生活の一部、否多くを水道に依存している我々において重要なことではないかと思います。原点回帰により、水道事業者は、水使用者目線でのサ-ビスの在り方を、水道使用者の皆様方には、水の使い方の在り方を、それぞれに見つめ直す機会としていただきたい。そして、双方の見つめ直した結果をフィードバックとしてお互いに共有し、理解し合い、現在、水道事業が抱えている水資源問題を含めた様々な課題を乗り越えていく方策を、一緒になって考えていくべきだと強く思っています。
原点回帰の必要性を改めて整理すれば、次のようになります。
水道の本質は何なのか、なぜ必要だったのかを、正しく理解する。
なぜなら、現在の水道の状況や課題のみにとらわれていては、将来に向けた方向性を、見間違えてしまう可能性がある。だからこそ、まずは原点に立ち返り、水道の本質を正しく理解し、水道の使命は何なのかを適正に見定め、代替案も含めて現在抱えている課題の解決策を考えていく。水道の本質を、かつ現代になってもなお、将来に向けて水道が果たしていかなければならない役割を明確にし、的確にそれを担保した上で、現在、水道が抱えている課題の解決策を見出していかなければならないということではないでしょうか?
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