トップページ ≫ 社会 ≫ 特別企画 ~水のスペシャリスト下村政裕からのメッセージ~⑩
社会
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ラオス国概要(about Lao People’s Democratic Republic)
~ゆっくりと流れる時間、ノンビリと暮らす人々~
さて、ラオスでどっぷりとつかった水道の原点の具体的な話に入る前に、まずはそのことをより正しく理解していただくための背景として、ラオス国のご紹介をこれからしばらくさせていただきます。その上でまた、水道の原点に戻ることにしましょう。先ずは、私の今のラオスへの思いをご紹介しておきます。
国民の多くが敬虔な仏教徒であり、米を主食とし、広大にあるいは棚田として広がるとても美しい田園風景の中で、大家族での生活を営み、かつ村単位で老若男女が総出で、しかも人力を基本に助け合う、いわゆる「結い労働」文化を育んでいる国。ゆっくりと流れる時間の中で、ノンビリと明るく、おせっかいをやき合いながら幸せに人々が暮らしている国。こんな話をすると何か思い当たることがある方もいらっしゃると思いますが、いわゆる「日本の原風景がただよう国」だということです。私にとってはそこで暮らす人々の輪の中に入るだけで心が洗われる第二の故郷、おらが田舎的国です。残念ながらここ10年、首都ビエンチャンの中心部においては大きく変貌を遂げてきていますが…そんな思いを私が持っているラオス国の正式名称は「ラオス人民民主共和国」、英語名”Lao People’s Democratic Republic”、東南アジアに位置する共和制国家です。国土面積は236,800㎞2。日本の本州と同程度の面積ですが、人口は埼玉県より若干少なめの7百万弱と報告されています。北に中国、西にミャンマー、東にベトナム、南にカンボジアとタイと国境を接しているインドシナ半島の海岸線をまったく持たない内陸国です。国土の多くが山岳で占められ、中国を流れ出たメコン川がラオスを貫いて流れており、ミャンマーとタイとの国境をなしています。
ラオスは多民族国家で、私が最初にラオスを訪れた1990年代最初のころには約80の民族が住むと言われていました。しかし、現在のラオス政府は、ラオス国籍を持つものをラオス人と定義しており、公式的には少数民族を認めていないようです。民俗学的に一番多く占めるのはラーオ族で、240~300万人ということですが、メコン川を渡った北東タイ(イーサーン地方)側にはそれをはるかに上回る、1千万~2千万ものラーオ族が住んでいると言われています。タイ北東部とラオスはメコン川を国境として国が分断されてはいますが、使用言語も含めて同じ文化を伝承していると言われる所以です。すでに前回ご紹介をさせていただきましたが、ラオスは国際連合の基準に基づき後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)、すなわち、世界の中で特に開発の遅れた国の一つと位置づけられています 。ラオス政府は、2020年までにこのLDCからの卒業を目指しており、安全な水の供給による公衆衛生の確保、特に水系伝染病による死亡率の削減や水汲みという重労働からの婦女子開放は喫緊の課題の一つとなっています。
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