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社会
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ラオスの主要産業(Major Industries)
~東南アジアのバッテリーを目指す国~
ラオス国のご紹介の第2回目は主要産業についてです。
ラオスの主要な産業は農業で、人口の7~8割が従事しているとされています。大部分の人は稲作を基盤とする農業を営んでいて、自給米を確保し、余剰分を販売して現金収入を得たりしていますが、物々交換を暮らしの基本としている少数部落も未だにあるようです。
次に製造業ですが、内陸国であり、大河メコンも、カンボジアとの国境付近にある滝が船の往来を妨げるなど、外洋に面した港をまったく持っていないため、原料の輸入や製品の輸出にコストがかかり、安価な労働力を生かして工場を誘致するという、東南アジア各国が取ってきた手法を取り入れることは難しい状況でした。そうしたことから、農作物や家畜系の肉類、そして近年養殖が盛んに行われるようになった川魚を除くその他の生活必需品のほとんどを、未だにタイ、中国、ベトナム等からの輸入に頼っています。そのためラオスの都市部に住む人の多くが、品数も多く安く売られているタイへ、生活物資を購入するために定期的に通っています。また、ラオスでは、ビールは国営企業でありかつ国策でかなりやすく販売(大瓶1本あたり100円弱)しており、タイ人は、逆に、ラオスへ自国よりかなり安い農作物やビールを買いに定期的にラオスへ来ています。
また、ラオスが外貨を得るための手段としては、農産物では、コーヒーが最大輸出品目ですが、国土の約半分を占める森林から得られる木材や、国土を最大限に活かした水力発電による電力の輸出などが主な大きな外貨獲得貨源となっています。特に電力に関しては、現在、ダム開発を盛んに進めており、ラオス高官からは、「東南アジアのバッテリーを目指す」との発言も出ています。
ここで余談になりますが、本年の7月末に、ラオス南部のアッタプー県で、建設中のダムが崩壊し、近隣の6つの村が水没する甚大な災害が発生し、多数の死傷者、行方不明者が出たと報道されました。私はラオス滞在中に、ダム建設事業の本体整備状況や水没者移転村などの関連施設整備状況の視察を幾度となくしてきており、実情を知っていたところから、この一報に対し、「これは人災だ」と、悲しみを通り越して、怒りを感じました。特に、これらの発電ダムからの電力のほとんどは、海外に輸出される予定であり、今回、被害にあわれた方々は、ダムが問題なく完成していたとしてもその裨益をほとんど受けること無く、そんな国の政策といい加減だと思われる工事のために、平和な牧歌的村々そのものと共にそこで営んでいた村人たちが、一変して地獄絵のごとくなったからです。ほとんど公の情報が入らない中、支援を現場でされている友人、知人からは、未だに行方不明者がかなり存在し、家、農地そしてたくさんの家畜などの生活手段を完全に失った多くの村人たちが、先の見えない過酷な避難生活を強いられているとの情報をいただいています。
ご関心のある方は、IV-Japan(国際協力NGO) の Facebookホームや彼らのホームページを閲覧してみてください。さいたま市水道局OBの川島康弘氏も活躍されています。
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