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社会
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ラオスの政治体制(Political System of Laos)
~社会主義国型一党体制の国~
ラオス国紹介の第3弾は、政治・行政についてです。
先ずは政治体制ですが、国家主席を元首とする共和制国家で、憲法の前文で「社会主義」「人民民主主義」を謳い、第3条では「ラオス人民革命党を主軸とする政治体制」と規定されているなど、マルクス・レーニン主義を掲げるラオス人民革命党による社会主義国型の一党制です。地方の体制は、首都ビエンチャンと17の県の18都県から成り、県は群により構成されています。群は郡内のいくつもの村(集落)を束ねています。地方には議会を一切設置せず、県知事は国家主席が、郡長は首相が、それぞれを任命するなど、中央集権的地方行政制度をとっています。ちなみに各村は、村人たちの互選による村長(リーダー)が郡の管理・指導のもと村内自治を取り仕切っています。首都ビエンチャンを除き、全ての県には県庁所在地となる郡があり、そこが県都とされています。
近年の政治動向としては、2006年3月の第8回党大会において,党の指導的役割(一党体制)を再確認するとともに,1986年以来の経済開放を中心とした「改革路線」の維持を決議。2011年3月の第9回党大会においても,「改革路線」の維持が確認され,毎年8%以上の経済成長を確保することにより、2015年までに1人当たりGDP1,700ドルを目指し、同じ2015年目標の国連のMDGs(ミレニアム開発目標)の達成も合わせた、具体活動計画の採択が行われています。最新では、2016年1月の第10回党大会と同年4月の第8期国民議会初回会議において、2020年までにLDC(Least Developed Country)からの卒業を目指すこと、そして国連の2030年を目標とするSDGs(持続可能な開発目標)に向けた具体的な取り組みを盛り込んだ第8次国家経済社会開発計画が採択されています。
この中で、注目すべき開発計画として、地方の活性化、強靭化を強力に押し進めるための理想都市構築構想があります。2000年前後から焼き畑やマリファナ栽培などを生活の糧としたきた高地民族を山から降ろし、中低地で健全な農林漁業を営んでもらう政策を進めてきましたが、結果として中低地にたくさんの小さな村が分散する形で成り立ってきました。これらの村を、ある程度人口の集積した都市として再整理し、地方の開発を効率かつ適正に進める政策がこれで、数村単位でエリアを設定し、エリアの中心に病院、学校など重要公共施設を整備し、そこに人口が集積していくように促し、健全・強靭な地方都市を構築する構想です。この構想の実現手段として、県が適切な政策を策定、各郡がその政策に基づきプランを描き、村がそのプランを実施することとし、もって地方再生を図ろうというものです。水分野においてもこの計画に整合を取る形で、今後の水道開発を実施する必要があり、安全で安心な飲料水、生活用水の供給により、村人の公衆衛生の向上と水道による快適な暮らしを確保し、2030年における水分野のSDGsの達成を目指していかなければなりません。
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