文芸広場
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メリーゴーランドに乗るとわたしはいつも少年になった。
少年の日は進むことより、いつも嬉しく回転していた。
観覧車のゴンドラに乗ると何故かわたしは言い余の無い寂しさにおそわれた。
のぼっていくゴンドラはやがていつか下っていくことに小さなおののきを感じているわたしがいた。
わたしは人生のどのへんにいるのだろうか。
昔、人生の余命を悟った男がゴンドラの歌を歌ってブランコをこいでいる映画を見た。
〝いのち短し恋せよ乙女・・・〟悲しい映画だった。
ゴンドラをおりたわたしはしばらく無言で歩いた。
そして振り返った。
遠くに観覧車が次のゴンドラを運んでいった。
当たり前のようにのぼり、当たり前のように下っていく。
あたかもシジフォスの神話のように。
わたしは柔らかい冬の陽光を背に受けながらしばし、遥かなゴンドラを静かに見つめていた。
つくば林太郎
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