トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第5章 将来のタブー(75)
教育クリエイター 秋田洋和論集
子どもに自分の職業について話していない
さまざまな分野で活躍している人にその道に進んだきっかけやその職業を選んだ理由を尋ねてみると、子どもの頃の経験が何らかのきっかけになっていると答える人が、案外多いのではないでしょうか。
将来の自分に対して、夢や希望をふくらませる。
そんな出来事や機会を、できるだけ子どもに与えたいものです。
「キャリア教育」という言葉があります。小学校では「仕事調べ」、中学校では「職業体験」に相当するものでしょう。地域の企業や働く人を訪ね、話を聞いたり実際に体験したりしながら、社会とのかかわり方を知る大切な時間です。
ところが、体験した子どもたちに感想を聞いてみると、「面白かったけど・・・」と、ちょっと物足りなさそうなのです。どうやら社会科見学(社会のことを知る)レベルにとどまっていて、「本物に触れていない」不満足感があるようです。とくに、「お客様扱いされている」と感じた場合は、その職業の醍醐味や、働く人が本気で取り組んでいる姿を、子どもたちはなかなかつかむことができません。
少なくとも、子どもたちは「本気」を求めていると思います。
・どうしてこの仕事に就いたのか
を話してもらうことだけでは、「本気」は伝わってこないようです。
・この仕事の厳しい部分はなんなのか
・どんな人材になれば、どんな能力があれば、その困難を乗り越えられるのか
子どもたちはここまで求めているのです。しかし職業体験で子どもたちを預かる側が伝えるには限界があります。
では、その役割を誰が担うべきなのか。
答えは、親です。子どもたちにとっていちばん身近な社会人は、親なのです。
社会に出て楽しいこと、つらいこと、悔しいこと、そしてやりがい。
親が話す「自分の仕事」以上の教材は、世のなかのどこにも売っていません。
本気で仕事に向き合っている親の一面を、子どもに見せてやってください。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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