トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第5章 将来のタブー(79)
教育クリエイター 秋田洋和論集
海外留学なんてまだ早いと思っている
最近は国際化が進み、世界との距離感がぐんと縮まっています。
人も物も世界中から集まってきますし、世界の隅々まで日本人が出かけ、日本の製品が行き渡るようになりました。また、情報通信網が拡充し、身近な情報があっという間に世界中を駆けめぐるようになっています。
教育の世界も変化しています。小学校でも英語教育が導入されましたし、中学校で海外留学というケースも、以前ほどめずらしいことではなくなりました。我々の世代が中学生だった頃とは違って、今の中学生にとって海外はずっと身近なものになっているのかもしれません。
彼らが大人になったとき、社会はどんな様子になっているでしょう。
今、海外に進出する企業はもとより、なんらかの形で海外と取引する企業は増えています。「海外勤務」も、もはや一部のエリート社員だけの役割ではなくなり、誰にでも可能性があるようです。
親世代は、自分が経験したことのないことに対しては余計な心配をあれこれしてしまいがちです。もし子どもが自分から「海外に留学したい」などと言い出してきたら、そのような時代背景の違いをよく認識して返事をするべきだと思います。
留学を通して得られるのは、語学力だけではありません。未体験のことに一歩踏み出そうとする意欲が身に付くものです。最初は不安なことばかりだったとしても、そうした不安を自分自身で乗り越えた経験は、大きな財産となるでしょう。
「中学生に必ず留学をさせなさい」と言いたいわけではありません。スポーツや他のことであってもかまわないので、中学生のうちに、
「すごく不安な気持ちだったけれど、一歩踏み出したらなんとかなった!」
といえる経験をさせてやりましょう、とお伝えしたいのです。
「いつまでも子ども」という意識の延長で、不安や困難を親が事前に取り除き、安全な道だけを歩き続ける子どもに育てていませんか。
中学生には、自分の殻を自分自身で打ち破るチャレンジをさせるべきである。そう思っておきましょう。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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