トップページ ≫ 社会 ≫ この国のかたち、改正入管法がもたらすもの
社会
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今月8日に改正入管法(出入国管理法)が参議院本会議で可決された。施行は来春4月1日となる。
まず実際の人材の送り手となる海外の反応からいくつかピックアップしてみたい。
(ベトナム)新たな就労の機会が増えるとの歓迎の声とともに家族帯同のハードルは高く、生活基盤を移せるような内容ではないとの評価があった。
(インドネシア)日本の姿勢として多くの外国人が定住する形は望んでおらず現状の政策にわずかの変更が加わっただけとのクールな見方もあった。
この報道内容からだけでも、希望する人には定住への道筋を日本国の根本政策として示して欲しいとの本音の一旦を窺い知ることが出来る。政府は移民政策ではないという。しかし長い目で見た場合、人口減少社会における働き手を補う為だけの都合のよい労働力の供給者として、どれほどの人がこの国を目指してくれるのか甚だ疑問である。巷間言われている通り、労働力不足が喫緊の課題となっている産業界からの要請に応えたい一方で強固な政権支持層である保守層に向けては移民政策と受け取られることのないように配慮しているとしか感じられない。繰り返すが、日本への長期定住を希望する人に対しては、少なくともその選択肢、可能性を準備することは必須ではないだろうか。そもそも家族帯同で生活基盤を築く未来が描けないようでは、有為な数多くの人材がこの制度を活用することなど到底望めないだろう。この国のかたちとは時代の変遷にかかわらず一遍足りとも変わってはならないというものではなかろう。また我々ひとりひとりにとってもどのような形で多様な異国の人を隣人として受け入れていくのか、その覚悟も同時に問われていることだけは心に留めておきたい。
小松 隆
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