トップページ ≫ 社会 ≫ 水道法の改正と水道事業の民営化の問題点⑦ ~水上清悟~
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
これまでの整理に基づき、今後、水道事業が取るべき方策について最後に提言を試みる。
総論としては、今回の改正水道法を絶好のチャンスとして、各水道事業体は自らの事業推進基盤の強化を図らなければならない。国や県の改正水道法の実現に向けた様々なアクションを積極的に有効かつ適切に活用し、水道事業経営の将来にわたる最適な安定化を図っていくべきである。ただし、短期的な問題解決のみを優先し、安易な方法に飛びつき、中長期的には失敗だったということは絶対に避けなければならない。そうしたことを鑑みた上で、取るべき主要施策は、やはり、民間活用の更なる推進と広域連携への挑戦の二つの手法により、超長期的視点をもって、技術基盤そして財政基盤、加えて双方の基盤を大きく左右する人材基盤の強化を図り、安定した水道事業の推進基盤を再構築していかなければならない。加えて、行政側への提言であるが、本格的な人口減少、高齢化社会の到来を考えれば、国や県の取るアクションの中に、適正な事業運用をしてもなお様々な理由で経営が行き詰まる事業に関しては、福祉の観点からの行政的・財政的支援が必要であり、このことは、水がベーシックヒューマンニーズであるということを考えれば、当然のことではないだろうか?こうしたことからも、水道事業の主体は官にあるべきではないだろうか?
さて、水道事業が取るべき民間活用方策を更にブレイクダウンしていくならば、先ずは事業経営の根幹をなす経営方針の決定や施設整備計画の策定などの水道事業推進上のコア事業に関しては、国民のベーシックヒューマンニーズに適合し、水道サービスの質を落とすことなく安定的に持続して事業運営を確保する観点からも、これまで通り、各水道事業体が自ら主体的に責任をもって実施していくべきである。その上で、水道の様々な事務事業における技術やノウハウのうち、民間が優れた部分は、委託や請負により、これまで以上に効率かつ有効な民間活用方策を模索しながら実施していくこと。ここで重要なのは繰り返しになるが、水道事業経営の核となる業務(方針決定、企画、計画)は事業体に確実に残すこと。その上で、核業務に準ずる重要業務と位置付けられる、施設の設計や設計後の工事発注、その工事の管理監督、あるいは検針業務に代表される事業運営にとって重要な具体定型事務事業、加えて民間に委託した事業の監督管理等、核となる業務に限りなく近く、質のかなり高い仕事が要求される業務は、信頼のおけるパートナー企業を設置して実施させること。そのパートナー企業による徹底した一元管理・監督の元、様々な定型事務事業について、請負や委託手法により専門民間企業を活用して、信頼できる確実かつ最善の仕事を確保していくこと。次に提案する広域連携の在り方と共にそのような地域水道セクターシステムへと、日本の水道セクターの再編成をしていくことが必要不可欠である。 続く
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