トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第1章 子育て方針のタブー(6)
教育クリエイター 秋田洋和論集
話の主役はいつもお母さんだ
幼稚園、小学校、中学校入学。クラス替えや引っ越し。親は子どもが新しいステージに進むたびに、
「他の子とちゃんと仲良くできるだろうか」
と心配するものです。だからでしょうか、子どもに必要とされる「コミュニケーション能力」を「誰とでも仲良くできること」と考えてしまうかたが少なくないようです。コミュニケーション能力とは、単なる仲良しの関係ができることではなくて、
他者の異なる考えを理解し、受け入れたうえで、自分の主張をきちんと伝える力だと私は思います。
あいさつや適切な受け答えはできて当たり前。それはコミュニケーション以前の問題です。「空気を読む」と言われるように、場の雰囲気を察して周囲を不快にさせない気遣いを意識する人は多いのですが、それもコミュニケーション能力と呼ぶには充分ではありません。
高校や大学の推薦入試や就職試験の面接をイメージしてください。そこでは「自分の考え」をしっかり主張できなければなりません。たとえば「どうしてこの高校を志望するのか」という動機を語るなら、「なぜこの高校でなければ自分の目標が実現しないのか」まで表現する必要があります。
だからこそ、家庭でのやり取りにも「なぜ?どうして?」を意識させる仕掛けが必要なのです。
そのためにすぐできることは、親が「聞き役に回る」ことです。なんでも親が気をまわして口を出したり察してやったりしていると、子ども自身に「説明する習慣」が身に付きません。日々の出来事でも部活動の悩みでも、今夜の晩ご飯のメニューでも、なんでもかまいません。話のきっかけはお母さんがつくるとしても、会話が始まったらできる限り聞き役に回ってください。
親ばかりが一方的にしゃべっている状態は、コミュニケーションとは言えません。
こうした能力はある日突然身に付くものではないので、今からでも少しずつ習慣にすることが大切です。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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