トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 日本語でもっとも多く用いられている言葉とは
外交評論家 加瀬英明 論集
明治が終わるころまでは、日本語のなかで「こころ」が、もっとも多く用いられた言葉だった。
日本語のなかには「心尽くし」「心立て」「心置き」「心配り」「心入る」「心有り」「心砕き」「心利(き)き」「心嬉しい」「心意気」「心合わせ」「心がけ」「心延(ば)え」「心回る」「心馳(ば)せ」「心根」「心残り」「心様(ざま)」というように、心がつくおびただしい数にのばる言葉がある。
国語辞典をひくと、まだまだある。
世界の諸語のなかで、日本語ほど心と組み合わされた語彙が多い言語はない。
もっとも収録語数が多い英英辞典である、三巻の『ウエプスターズ・サード・ニューインターナショナル・ディクショナリー』で、heart(ハート、心)がついた、心遣い 心温むという意味がある言葉を挙げてみると、hearten,heartening,heartfelt,heartful,heartsome,heart string,heart to heartだけしかない。
日本人は、精神性が高かった。その時々の心のありかたを重視する。
日本語では、男の体格が貧弱であっても、あるいは病弱であっても、その人の精神や、行動のありようによって、男らしいという。
西洋諸語で男らしいといえば見た目をいう。
西洋の美が、動物的な外見によるものであるのに対して、日本では内面の美しさを問うているのと、対照的である。
女のなまめかしさや、色気も、視覚的な美しさとともに、内面から発するものだった。私たちは、外面より、内面を重んじてきた。
心の美しさによって、人が評価された。日本では西洋のように、永遠に変わらない美を称えるよりも、生命と同じように、束の間の美を重んじた。
日本は恥の文化だといわれるが、恥も、美意識から発している。
このような美意識は、心が形となって現われたものだった。いなせ、きおい、いきみ(意気味) といった言葉は、心と一体になっていた。
神道は何よりも、清々(すがすが)しさを尊んでいる。自然を汚しては、ならなかった。
なりつつ
いま、 エコロジ-が世界を律する、新しいスーパー・レリジョン (超宗教)となりつつある。
神道は、エコロジーの教えである。そのために、このところ神道が海外において、評価されるようになっている。
近代世界に、日本ほど大きな文化的影響を与えた国はない。
隣邦の中国が、このところ大国に列するようになったが、古代に火薬、紙、機械時計、羅針盤などを先駆けて発明したものの、近代に入ってから、世界文化に貢献したものは何もない。
ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたか 8章 神道の宇宙観、キリスト教の宇宙観
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