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平成も残りわずかとなった4月19日、昭和から平成への60年余を歌い続けてきた男性コーラスグループのミニコンサートがさいたま市中央区で催された。早稲田大学グリークラブ出身の4人で1958年に結成されたボニージャックスだ。当初のメンバーの1人が病没したが、残り3人は新たな仲間を入れて活動を続け、昨年には結成60周年記念アルバム『昭和歌暦』をリリースした。
正統派の歌唱法には評価が高い。レパートリーは広く、日本の歌曲、童謡、ラジオ・テレビの主題曲から外国の民謡、ジャズ、ポピュラーナンバーまでこなす。彼らが歌ったことから広く知られるようになった曲はロシア民謡『一週間』や童謡『ちいさい秋みつけた』、『手のひらを太陽に』など数多い。
4人のコーラスグループと言えば、先輩格のダークダックスやデューク・エイセスは既に解散しており、ボニージャックスは最長記録を更新中だ。結成当初からの3人は1934~1936年生まれで、最年長は85歳。彼らの活動はもはやレジェンド化していると言えよう。
さいたま市との縁も深く、毎年秋には「さいたま芸術劇場」の大ホールでコンサートが開催される。冒頭に紹介した中央区のミニコンサートは、本町通りの「カフェギャラリー南風」で年数回のペースで行われてきた。メンバーの1人、バリトンの鹿島武臣さんが近くに住んでいることがきっかけだったという。お客も一緒に歌えるように、童謡など誰もが知っている日本の歌がプログラムに入っている。
だが、メンバー全員が体調万全というわけではない。病気を抱えながらも、歌い続けることによって歌唱力を維持しているようだ。4人の個性もそれぞれで、歌の合い間のトークでは遠慮のない意見のぶつけ合いもある。
そのトークも面白い。60年以上も日本の音楽業界で生きてきただけに、作詞・作曲者や歌手たちとの交友関係、エピソードは豊富で興味深い。BS放送の昭和歌謡特集にもゲスト出演して、その一端を披露しているほどだ。
「ギャラリー南風」のステージの後は、お酒好きの西脇久夫さん(トップ・テナー)と玉田元康さん(バス)を囲み、お客たちとの懇親会が始まる。次は7月に開かれる予定だが、こんな楽しい会がいつまでも続くことを祈るファンは多い。
山田 洋
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