トップページ ≫ 社会 ≫ 素晴らしきボクシング仲間 吉田類さん、須藤元気さん。
社会
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暴飲暴食がたたって体重急増、あわててスポーツジムに通い始めたのが20代半ば。以来50年近くもジム通いは習慣化した。いくつものジムを経験したが、最も印象に残っているのは最初に入った東京・神田のYMCA体育館だ。ここは会員たちが自主運営するクラブ活動が盛んで、私はボクシング部に加入した。減量に最も効果的と思ったからだ。オリンピック代表やプロボクサーをめざす人と、私のような部員が混在していた。
長く在籍していたので部の世話役みたいになった頃、体育館は江東区東陽町に移転した。ここでも個性豊かな人々と巡り会えた。当欄で数年前に別々に紹介した吉田類さんと須藤元気さんだ。吉田さんはBS-TBSの人気番組『酒場放浪記』が始まる前、須藤さんはプロ格闘技者になる前だった。先日、奇しくもこの2人の近況をほぼ同時に知ることとなった。
6月始めに銀座三越のギャラリーで陶芸を中心にした『ほろ酔いの王国 吉田類展 vol.2』が開催されたので出向いてみた。最後に会ったのは15年以上前だったが、動作がスローになったものの、外見は当時とほとんど変わっていない。「毎日、酒を飲んでいて体は大丈夫?」と聞くと、山にはよく行くとのことだった。私も彼から山登りに誘われたことがあったが、尻込みした記憶がある。
もともと絵が本職だったが、陶芸でも才能を発揮している。テレビ番組だけでなく、酒や酒場に関する著書も多く、親しみやすい文章で、さりげなくウンチクが披露される。
吉田さんの個展から帰宅すると、須藤さんのニュースが飛び込んできた。7月の参議院選挙に立憲民主党から比例区で立候補するというのだ。
彼は1990年代後半に短期間ながらボクシング部に在籍していた。YMCAのアマレス部の指導をするかたわら、ボクシングにも接触を試みたようだ。だが、練習に参加するより物思いにふけっているほうが多かった。世話役の私には話しかけてきて「総合格闘技に進もうかどうか迷っている」と打ち明けた。それから間もなく「あした総合格闘技の入門テストを受けます」と退部の挨拶に来た。若いのに律儀だなと感じたものだ。
その後、彼は総合格闘技界で頭角を現し、大晦日の出場試合はテレビ中継された。しかし、2006年の大晦日の試合を最後に引退し、活動の場をリング外に広げ、書道家、作家、タレント、ミュージシャンとして活躍する。2008年には母校の拓殖大学のレスリング部監督に就任し、最優秀監督賞を何回も受賞し、日本代表監督に推される。
この人も著書が多い。格闘技についてだけでなく、人生論的な内容が多い。自分の弱い部分にも目を向け、それをポジティブに受け入れようとしている。いろいろ悩みながらも明るいのだ。それが若者の共感を呼んだようだ。
そんな彼が政界進出と聞いて、「よせばいいのに」と思ったが、若い頃に革命家チェ・ゲバラの本に感銘して南米大陸を訪れたことを知り、政治にロマンを求める心には期待したい。
山田 洋
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