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7月の誕生石はルビー。深紅のルビーは身も心も奪われるほどに美しい。またルビーはミステリアスな宝石でもある。
紫陽花の中には「ルビーレッド」と呼ばれる品種があり、非常に印象深い色をしている。梅雨時の湿気をきっぱりと弾き返すような、息を飲むほどの鮮やかな赤み。やはりルビーレッドには身も心も奪われる。紫陽花の花の色は土の変化に左右される。ルビーレッドの紫陽花は、土をアルカリ性に保つように育てることが発色のポイントだ。
「ルビー」と言えば映画の『怪盗ルビイ』を思い出す。この映画は昭和の終わりに小泉今日子さん主演で好評を博したコメディ作品である。小泉今日子さんは加藤留美(ルビー)という役名がぴったりとはまっていた。
『怪盗ルビイ』の原作者は短編小説で有名な、ヘンリイ・スレッサー。彼の作品の中に『花を愛でる警官』がある。
花を愛する大人の男女の物語だ。登場人物のドン・フラマー警部とマクベイ夫人は「花を愛する心」を通じて秘めやかに想い合う仲だった。ある日、マクベイ夫人は何者かによって射殺されてしまう。犯行に使われた凶器も見つからぬまま謎は深まるばかり。ドン・フラマー警部は失意の中にありながらも、この事件の真相に根気よく迫っていく。
主なき花壇は寂しいものである。射殺されたマクベイ夫人の花壇も寂しくなったかと思われた。しかし夫人亡き後にも、彼女の花壇に健気に咲いた花があった。しかもこの花からは前年とは異なるある変化が確認される。変化が確認されたのは花の「色」だった。この事実が、マクベイ夫人射殺事件を解明へと導く鍵となった。色の変化した花は「紫陽花」である。マクベイ夫人を射殺した犯人は、花壇の土を掘り凶器を埋め、証拠隠滅を図っていた。しかしそれは花壇の土の状態を変化させるきっかけとなる行為でもあった。土の状態の変化が紫陽花の花の色の変化にも反映されるため、動かぬ証拠となってしまったのだ。マクベイ夫人と「花を愛する心」を通じて想い合ってきたからこそ培われた、フラマー警部の洞察力が冴えわたる物語。興味のある方は原作でもご確認を。
葉桜 こい
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