トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(15)
教育クリエイター 秋田洋和論集
修学旅行に持っていくパンツにも名前を書いてやっている
お母さんの過干渉の例として、私はいつも「修学旅行に持っていくパンツ」の話をします。中高生(とくに男子)の母親として、いつまでも子離れできず、
お母さんがなんでも代行してしまう
という親子関係を表す「あり得ない話」として使ってきたのですが、どうも最近は実話になりつつあるような気がしてなりません。
お母さんの過干渉が子どもに与える悪影響として、子ども自身の「考える習慣」を奪ってしまう可能性があります。
何でもお膳立てしてもらった状態で、ただ指示された通りに行動し、後始末もすべてやってもらうことに慣れてしまえば、そこから学べるものは多くありません。中高生にとって何より大切な「失敗して、そこから原因を考え、再度チャレンジする姿勢の確立」も、そもそも失敗することがありませんから経験を積むことすらできないのです。
ちょっとでも心当たりがある方は、今この瞬間から子どもへの接し方を変えましょう。お母さん自身が「子どもの自立」について考えはじめてください。
高校は「子どもが世のなかに出ていく直前の時期」です。
啐啄同時(註:「啐」は鳥の卵がかえるときに殻のなかで雛が外に出るために殻をつつくこと、「啄」は母鳥が雛の様子を察して外から殻をかみ破ることを指し、これが一致したとき雛は殻を破ることができることから、阿吽の呼吸、絶妙のタイミングのたとえとして使われる)という言葉があるように、親の仕事は子どもが自立するタイミングを見逃さず、後押しすることです。
「パンツに名前を書いてやる」に象徴されるように、頼まれもしないことを先回りしてあれこれ手を焼くことは、後押しどころか子どもからのサインそのものを出させないようにしてしまう行為に等しいのです。子どもに「成長の兆し」を見出し、それを見守り、サポートが必要と判断したところだけサポートしてください。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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