トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 博物館のガラスケースに押しこめられた仏像 その2
外交評論家 加瀬英明 論集
先人たちは、慣わしを大事にすることが、日常生活のまともさを保つために大切なのだと、直感的に知っていた。
いまの人々は、なぜなのか、能率ばかり重んじて、急いでいる。
家族の絆(きずな)はゆったりとした、無限と思われる時間を共有することによって、もたらされる。家族や恋人は、能率とは無縁だ。ところが、家族というものの、一人ひとりがいつも急いでいるので、団欒(だんらん)するような暇(いとま)がない。
急ぐほど、心が傷つくものだ。四季が巡ってくるたびに、種が芽をふき、花が開いて、実を結ぶ。そのためには、有機的な、生きた時間が必要だ。
急いではなるまい。人も、人の心も生きているから、心を育(はぐく)むためには、 ゆっくりとした時間を必要としている。
私は仕事のために、自動車や電車や、航空機を利用するが、 そこで過ごす時間は、機械的で、無機的なものだ。それに対して、歩く時間は、有機的だ。
今日の物的に豊かな社会では、孤独に苦しむ人が増えている。
人は先天的に一人では、生きてゆけない。心を分かち合うことによって、安心し、幸せになる。人は互いに導き合い 励まし合わなければならない
人は力を合わせることによって、はじめて力を得る。
神仏に両手を合わせて、合掌する所作は、人と人が合力(ごうりき)する形を、あらわしているに違いない。
ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたか 9章 失われた日本人の面影
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