社会
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株式市場には続々と企業が新規上場を果たし、上場企業数は増加の一途だ。新しい顔ぶれが多いのは製造業ではなく、業種としては卸売・小売、情報通信、サービスなどだ。特にサービス業には特別な技術とか大がかりな設備も不要なことから、様々な新進企業が登場している。
以前から多かったのが人材業(人材派遣、人材紹介など)で、今では第1部株式市場にもゴロゴロしている。そして最近では、老人介護関連や児童保育関連の企業だ。高齢化社会に突入とか保育料無償化(今年10月より)などの世の動きが後押ししている。介護も保育も公営の施設では足りないので民営施設がカバーすることになり、株式会社化しているところも増えている。
しかし、その株式会社が上場するとなると、いろいろ問題点が浮上してくる。上場されれば、新たに多数の人々が株主になる。彼らは介護や保育の事業に収益性があると見込んで株を買ったわけで、企業利益が増加して株価が上がり、配当も膨らむことを期待する。その要望は最終的には株主総会で経営者たちに突きつけられる。
介護や保育では利用者保護やそこで働く人々の待遇改善が叫ばれている。待遇等での不満から介護施設職員による入居者への問題行為が頻発したのは記憶に新しい。しかし、待遇改善は経費増大につながる。利益を最重要視する株主との利害調整が必要だ。
すでに上場している保育関連の企業の業績を調べると、本業の利益は大したことはないものの、国や自治体からの補助金で経常利益が跳ね上がる傾向がある。そこに着目して、いろいろな分野の企業が進出してくるかもしれない。幼児の保育と企業エゴに摩擦が生じる恐れは十分にある。
山田 洋
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