文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
野の道は曲がっているので
(自然の道はみな曲がっている)
歩いていくにつれ景色を開いていくのです
夏が終わる頃
いつの間にか彼岸花が咲いている景色に遭遇しました
見慣れた野道には権威ある者が急に通達を出したように
彼岸花が赤い傘を掲げた古の官女のように居並び
道端の草の中に咲いていました
彼岸花はなぜ人里の道端に並んで咲くのか
早朝誰かが球根を道端に埋めるのかと思った事があります
彼岸花は水辺の小川を好んで並び
野の道を辿ると何故か墓地に至ることがあります
古来球根は水に晒して救荒植物として用いられた事もあったが
アルカロイド系の毒性を持つ故に
死人花、地獄花、幽霊花、狐花、捨て子花の名を持つ忌み花です
地域により持ち帰れば火事になるといわれ
持ち帰り部屋の花瓶に挿すことはありません
よく見れば彼岸花は
ある時一斉に野に火を灯しますが
咲きだしの時のように一斉に姿を消します
よく見ればその姿は燃える王冠に似ています
山上村人
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