トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(21)
教育クリエイター 秋田洋和論集
子どもに「面倒くさい」と言われるほど、命令ばかりしている
中学生を指導するうえで私が最も気をつけて拾っている言葉は、「面倒くさい」です。これを連発する生徒で成績が優秀なケースはまずありません。これは、
今までは真面目にコツコツやってきた生徒が、疲れ始めているサイン
ですから、非常に危険な兆候なのです。
この「面倒くさい」のやっかいなところは、
考えることを放棄し、鉛筆すら動かそうとしなくなる
ように子どもをさせてしまうところにあります。真面目にコツコツやってきた生徒、もう少し絞って言えば、
言われたことはきちんとやるけれど、自分からは動けない指示待ちタイプ
が、「言われたことを忠実にこなすことに疑問をもった」ときに、この言葉が現れてくるのです。
「あれをやりなさい」「これをやりなさい」と、我々大人はつい命令口調で指示を出しがちですが、それは子どもからすれば、ベルトコンベアから流れてくる部品を「ただ組み立てなさい」とだけ言われてひたすら組み立てているのと同じです。目的も聞かされず目標も見つけられず、ただ指示通りのことをやり続けていたら、誰だって疲れてしまいます。
「面倒くさい」という言葉は、この疲れた状態のときに出てくるのです。
それでも、忙しい中高生は立ち止まるわけにはいきません。そんなときに我々大人の接し方として欠かせないのが、どんな些細なことでも目標をもたせることです。
その作業の目的を面倒がらずに伝え、全体像を見せなければなりません。小さなステップで構わないので、自身で創意工夫できるようアドバイスを与えましょう。
たとえば料理の手伝いをさせるとき。ただ「ジャガイモを切りなさい」と指示するのではなく、「カレーに使うのよ。煮崩れないように、大きめに切ってね」などとその詳細や理由を明確に伝えることで初めて、子どもは自分で試行錯誤することができ、もう「面倒くさい」とは思わなくなるものです。あれこれ命令するのと比べたら、お互いはるかに気分よく物事を行なうことができるでしょう。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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