トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(22)
教育クリエイター 秋田洋和論集
最近、子どもと一緒に食事をとっていない
食事は、生活の基本です。中高生にとっては日々のエネルギー源になるというだけでなく、日々成長する身体をつくるもとになり、精神の健全さにも影響を与え、これからの人生の質を大きく左右するものといってもよいほど大事なものです。
しかし、この時期の家庭は親子ともに忙しく、生活リズムもお互い違うので、幼児期のように「すべてお母さんが一緒に、手をかけて」というわけにもいかないのが現実かもしれません。いきおい、「とりあえず先に一人で食べておいて」「とりあえず自分でつくって食べて」ということが増えていくものです。親としては手がかからなくて便利になるのですが、中高生が一人で食事をすることには、二つ不安があります。
一つ目は、この時期の食生活を子どもまかせにしてしまうと、どうしても「自分の好きなもの」「簡単で便利なもの」に偏りがちになることです。とくに、
男子は一回あたりの食事量が増え、間食も増える
女子は「ダイエット」を気にして、栄養のバランスを崩す
ことに注意が必要です。中学生のうちから「食生活における自己管理」を教えていきたいものです。
二つ目は「親子間のコミュニケーション不足」が起こることです。
食事のときほど、さまざまな会話を楽しめる時間はありません。身体的には成長しても、精神的にはまだまだ不安定な部分を残す中高生には、
お父さん、お母さんとのコミュニケーションを必要とする
時期がもうしばらく続くことを理解してください。食事の時間は心身ともにリラックスできるので、日頃話せなかった本音の部分がポロリと出てきたりするものです。親のほうもそれを余裕をもって受け取ることができます。食事時間を通して、ちゃんとつながっていることを伝える努力は、親の大切な仕事です。子どもは親から声をかけられることを面倒がることもありますが、心の底ではそれを求めているものです。
部活動や塾で夜遅くに帰ってきて、一人でご飯を食べる。そんな場面が増えていくでしょう。そんなとき、お母さんはすでに食事をすませていたとしても、一緒に食卓について話を聞いてやってください。それだけで子どもの心は安定します。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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