トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(23)
教育クリエイター 秋田洋和論集
高校生になれば、もう門限はいらないと思う
高校生の予備校通いが一般的になったこともあって、夜十時や十一時になっても電車内で高校生の姿を見かけることがあります。夜に外出する未成年が増えたというと、生活習慣や風紀面が悪化しているのかと思われがちですが、最近では別に遊び歩いているわけではない「普通の高校生たち」も帰宅時間が遅くなっています。
そこでポイントになるのが「門限」です。
じつは門限のあるなしは、風紀面の問題だけではなく、
時間管理に対する感覚
に影響を及ぼします。
高校生の時間の使い方で最も個人差が現れるのは、「家に帰るとき」です。帰宅後の五分・十分は、朝や夕方に比べて何倍も貴重なもの。この時間を大切にできるかどうかが、その後、就寝するまでの「時間の質」を決めるのです。
門限がない子どもはこの価値がわかっていませんから、部活動や塾からの帰りに寄り道をしたり友達同士で長話をしたりと、まっすぐ家に帰りません。こうして時間を無駄にしてしまうと、睡眠時間を削って宿題や予習のための時間をつくらなければならなくなります。
いっぽう、門限がある子どもの場合は、帰宅時間から時間の使い方を逆算する習慣が身についています。勉強においても「この課題を終わらせるには何時間かかるか」という考え方が自然にできるものです。限られた時間を有効に使うためのベストな方法を模索できますから、時間を浪費することが少なくてすむのです。
このように、高校生になると「時間に振り回されるタイプ」と「時間を管理して使いこなすタイプ」にはっきり分かれてきます。門限は、「この時間までに帰ってこないと親が心配だ、困る」というよりも「帰宅時間が決まっていないと子ども自身が時間をつかいこなせずに困る」という理由から設定するのだと、子どもに伝えましょう。
いったん身についた時間間隔は、なかなか修正できないものです。だからこそ、高校に入る前から「門限」で養っておくようにしてください。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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