台風１９号の大雨の影響で甚大な浸水被害が発生した武蔵小杉のタワーマンション。住みたい街ランキング上位の常連と言われていたが、一瞬にして街全体の評価を変えてしまった。

武蔵小杉ではないが、私もタワーマンションに住んで１４年になる。実際に東日本大震災の時には電気が止まり、エレベーターが使えず25階を階段で何往復もした。高齢者の住民は階段を上がれず、困っている姿を多く見かけた。その後の計画停電では電気、水道が止まり、不便な思いをした。今回の台風19号のニュースを聞き、浸水被害も他人ごとではないことを感じた。だが、どこに住んでも絶対に安全である場所などない。今更慣れたこの場所から引っ越す勇気もない。引っ越してきた当初は知り合いもおらず、隣に誰が住んでいるのかもわからなかった。エレベーターに乗り合わせても挨拶もしない人が多く、とても冷たい感じがしたのをおぼえている。今では知り合いもでき、困ったことがあれば助け合うことができる。日々の生活の中で、コミュニケーションの大切さを実感する。災害は他人ごとではない。どんな場所にあっても助け合いの気持ちを忘れてはならない。

馬淵凛子