トップページ ≫ 社会 ≫ SDGs(国連の掲げる持続可能な開発目標)への取組み・またその課題について
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
この話題を耳にしない日は無いと言っていいだろう。SDGsに関する世間の関心は極めて高いものがある。その中で先日以下内容の報道がされていた。
◆自販機からペットボトル排除相次ぐ 使い捨てプラ削減
持ち運びに便利なペットボトル飲料の生産量は右肩上がりで、清涼飲料のうちペットボトル商品は70%を超えており、リサイクル率も80%以上と高い。このため自動販売機からペットボトルを排除する動きについて、業界団体からは戸惑いの声も上がっている。飲料メーカーでつくる全国清涼飲料連合会によるとペットボトルの生産量は平成30年には清涼飲料のうち74.6%を占め、ほとんどの自販機にある。同年までの10年間で、生産量は約1.5倍に増加した。同連合会の広報担当者は自販機からペットボトルが外されることについて「顧客の選択肢を狭めることになり、残念」と肩を落とす。またPETボトルリサイクル推進協議会によるとペットボトルのリサクル率は20年度以降、85%前後で推移。米国は20%台、欧州は30〜40%台で、日本は世界最高水準という。さらに同協議会は30年度までに、リサイクルのほか焼却熱の利用で100%有効利用する目標を定めた。幹部は「プラスチック製品の中でペットボトルはリサイクルのトップランナーで自販機で販売をやめる動きには違和感を覚える」と疑問を投げかけている。
今や脱プラスチックに対する取組みを事業の中心的経営課題のひとつとして捕えていない企業に対する市場の目は極めて厳しい。植物由来の原料、それと再生プラスチック原料でほぼ全ての容器を賄おうとする計画を大手飲料メーカーのサントリーが打ち出している。
また大手小売業のイオングループは20年7月以降プラスチック製レジ袋有料化の政府方針に先駆けて、グル―プ全体で3ヶ月先行して20年4月より実施開始を打ち出している。多くの消費者がレジ袋有料化は当然と考えており、その流れに沿う形でこのような意志決定を迅速に進めたとの事である。
ただし冒頭に記した自販機でのPETボトル容器排除の動きについてはやや拙速との見方も出ている。容器としての利便性、経済性また85%近くあるリサイクル率は事業としてSDGsの精神を十分に具現化しているといえ、今回のこの動きは合理性に欠けているのではとの指摘もある。
SDGsは息の長い取組だ。総論でこの動きを進める事は社会の総意だ。しかし一方で、各論ではまだ課題も山積している。個々の事象を冷静に判断し、合理的に様々な手段・方法を用いた上で社会全体のコンセンサスとして、まずプラスチックの減量を早急に進めていくことが必要だ。消費者もまた情報の腑分けをきちんと行い、賢明な消費行動に務めたいものである。
小松 隆
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