社会
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師走の小春日和の午後のこと。静謐に輝く冬桜に出会った。そろそろ咲き納めのようだったが、今年の冬桜には例年以上に訴えるものがあった。残念ながら、秋口に上陸した大型の台風19号の余波により、無惨なまでに倒れてしまった木が目立ったのは事実だ。しかしながら、小ぶりの冬桜の花たちは皆、初冬の晴れ間の大空を仰ぎながら、最後の最後まで、実にひたむきに咲き続けていた。
冬桜はきっと、来るべき次の季節たちに向け、身をもって狼煙をあげてくれていたのだろう。そこには必ず大事なメッセージが込められているはずだ。倒れながらもなお咲き尽くした冬桜の、鬼気迫るほどの絶唱に是非とも報いたい。まずは、来春から新たに咲く桜の花一輪一輪、花びら一片一片、それぞれの歌声を心から聴こう。そう誓わずにはいられない年の瀬である。良き春を。
葉桜 こい
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