飯能市。2014年消滅可能性都市として名があがり、がっかりした県民も多いであろう。

飯能市は銘木とされる西川材をいかだで流して江戸へ。また織物も盛んで、山大尽、旦那衆が存在、当然のことながら名料亭が軒を並べ、花柳界も華やかで芸者衆も全盛期には100人を超えた。風光明媚な観光地でもあり、豊かな自然と田園。池袋へは始発特急で50分。昭和から平成にかけて「田園住宅都市・飯能を創ろう」という動きもあったのだ。

その飯能が今脚光を浴びつつある。東洋経済では「化けるまち・住みたい街飯能」という記事も掲載された。

飯能・南高麗地区限定で国の田園住宅制度を導入。「農のある暮らし」を核に移住者を募集した。緑豊かな風景に立つ敷地の広い一軒家。当初はシニア世代がターゲットだったが、実際にこの制度を使ってマイホームを建てたのは40代以下。2016年から5年計画であったがすでに20世帯が暮らしている。宮沢湖にあるムーミンヴィレッジ・メッツアには多くの人が訪れ、その経済効果は93億円とも言われている。そして、飯能市民に親しまれた「ニコニコ池」周辺もここでガラッと変わる。

名門料亭東雲亭跡地（名刹能仁寺所有）・丸広百貨店創業者大久保家の邸宅も含めて、発酵食品のテーマパークが2020年、この夏オープンする。発酵・健康・食の魔法OH！！！（OUR HOME HANNO）。提供は所沢本社の（株）ピックルスコーポレーション。

飯能を代表するアトム像も手塚治虫氏が除幕した飯能レジェンドの一つ。そのアトム像から伸びる遊歩道からテーマパーク、そして天覧山、多峯主山へ。またはアトム像から遊歩道を通ってBBQのメッカ飯能河原へ。周遊ルートが充実だ。名門ゴルフ場・人気ゴルフ場が点在。名栗温泉や山越えで東京岩蔵温泉など泉質豊かな温泉も。緑と清流　観光都市の一面も持つ飯能市。

市内にある聖望学園。中・高校一貫教育で、TBSの秋沢淳子アナウンサー・阪神選手会長を務めた鳥谷敬の出身校でもあり進学校。都心への通勤アクセスも有楽町線、副都心線乗り入れ、横浜中華街直通あり。そして「農」あるくらし。

まさに「職（食でも）・住・遊・学」兼ね備えた奥武蔵・飯能から目が離せない。

大曾根　惠