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昨年12月に発売されたばかりの美空ひばりさん(AI歌唱)『あれから』が話題だ。AI(人工知能)での再現に関し賛否両論はあるにせよ「ひばりさんを通じ、何とか良い作品を今の世に出すのだ」という熱意が充分に伝わってくる試みでもあり、結果としては成功と思われる。
皆さんご存知の美空ひばりさんは、言うまでもなく激動の昭和の時代を果敢に生き、真っ赤に燃えつくした歌の女王である。1989年(平成元年)に大スターひばりさんの命の炎が惜しまれながらも消え、日本中が大きな悲しみに包まれてしまった。私もひばりさんの力をいただいてきた身だったこともありとても切なかった。とは言え30年以上経った今もなお、ひばりさんの七色の歌声は深みを保ちながら人々の心にたなびき続けてきた。この度の『あれから』の発売を受け、令和にかかった昭和色の美しい虹を見るかのような嬉しい思いがし、夢中で聴かせていただいた。
『あれから』はとても良い曲だ。懐かしく親しみやすいメロディラインも手伝ってか、ひばりさんとの距離も自然に整い聴き心地が良い。リラックスした優しい気持ちで曲の世界に入ることが出来るのも嬉しい。ひばりさんペースでの語りもゾクッとするほど感動的だ。ひばりさんから諭されるように歌っていただけることにより、「あれから」の自分と「これから」の自分とを穏やかに抱き上げ、奮い立たせることも可能だ。
私もお陰様で、ひばりさんの生き抜かれた歳に近づき、更には追い越させていただけるまで既にカウントダウンに突入している。実にありがたいことである。
せっかく令和にかかった、昭和色の『あれから』というまばゆい虹の輝きを消してはいけない。新しい時代に再びひばりさんの力をお借りできて本当に良かった。混沌とした世の中であっても何とか生き抜く力が込み上げてくるのを感じる。改めてひばりさんに感謝だ。
葉桜 こい
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