東京オリンピックで日本中が盛り上がっているが、永田町も熱い。７月５日に投票が行われる東京都知事選だ。小池百合子知事の出馬は確実と言われているが、自民党は難航している。そこで白羽の矢が立ったのが松岡修造氏。最近では「日本一熱い男」と言われ、タレントとしての活躍が目立つ。松岡修造と言えば、日本人男子として６２年ぶりにグランドスラムベスト８に進出したテニスプレーヤー。修造チャレンジでは錦織圭の才能に幼いころから気づき、ジュニアの育成にも力を入れてきた。熱血漢でクリーンなことから好感度が高く、阪急電鉄・宝塚歌劇団・東宝などを創業した小林一三氏のひ孫と血筋もいい。

自民党が有名人を対抗馬として推薦することは珍しいことではない。昨年夏の埼玉知事選挙にスポーツキャスターの青島健太氏を推薦したことは記憶に新しい。選挙中盤までは当選確実と言われていた青島氏だったが、開けてみれば惨敗。有名人と政治家は違うのだという事を見せつけられた選挙であった。青島氏は選挙色を持ってしまったことから、テレビで活躍する場所が激減。失うものが大きかった。

幼い頃からテニスのプロを目指していた私の息子は何度か修造チャレンジに参加し、指導を受けた。熱血で真っ直ぐな指導に感動した記憶がある。最近では厳しい指導をすれば何でもハラスメントと言われる時代に、松岡修造氏のような熱血指導者が必須である。しかし一度政治の世界に足を踏み入れてしまうことで、全てを失う可能性もあるのではないか。オリンピックを控え、松岡修造氏が東京都知事選挙にでることが是か非か。永田町の戦いは誰に軍配があがるのか。目が離せない。

馬淵凛子