文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
夢の中では大事なことだったのに
目が覚めると思い出せない
人の気配にフト立ち止まることがある
「そこで 何をしているの?」と声がしたので
見回すと誰もいない
子供の頃は勉強することだった
母子家庭の私は早くお金を得ることだった
共に暮らす女性を探すことだった
人の役に立つ仕事をすることだった
人の世の終りが見えた頃
このまま滞在することに疑問を感じた
私はこの土地のものではないと気づいたのだ
私は寄り道をしているうち
夕飯まえ買い物を忘れてしまった子供なのだ
「このままでは帰れない」
橋の袂で佇んでいると短い夕焼けが消え
空から笑い声が聞こえた
「何時までそんな所にいるの」
見上げると一番星が輝いていた
山上 村人
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